今回は、以下のようなご質問について検討します。
区分所有法65条は、「一団地内に数棟の建物があって、その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(以下「団地建物所有者」という。)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」と規定しています。
X団地には戸建てのみが存在しており、X団地の土地(一筆)は戸建て所有者全員の共有となっていますので、戸建て所有者全員でその土地(なお、附属施設もありますがここでは割愛します。)の管理を行うための「団体」を構成しています。
X団地の土地の共有者は、民法256条1項本文【※1】に基づく共有物分割請求をすることは可能でしょうか。
【※1】民法256条
(共有物の分割請求)
第二百五十六条 各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をすることを妨げない。
2 前項ただし書の契約は、更新することができる。ただし、その期間は、更新の時から五年を超えることができない。
■ 結論(回答)
まず、区分所有建物の敷地が区分所有者の共有に属している場合であっても、後記裁判例(東京地裁平成23年3月22日判決)のように、敷地の分割請求が可能であると判断された例もありますので、戸建ての敷地の場合にはなおさら、敷地の分割請求は可能であるといえるでしょう。
ちなみに、裁判例をもとに、区分所有建物の敷地にかかる共有物分割請求が肯定される基準を私なりに整理すると以下のようになります。
その共有物の性質上分割をすることができないか、又は共有物分割請求が権利の濫用に当たるのでない限り、民法256条1項本文に基づく共有物分割請求は可能である。
ただし、その共有物分割請求を禁止する旨の規約がある場合又は集会の決議がある場合は、この限りでない。
■ 補足説明
1 東京地裁平成20年2月27日判決の事案(分割請求否定例)
区分所有建物の法定敷地についての共有物分割請求の可否が問題となった事案として東京地裁平成20年2月27日判決【※2】があります。
同事案においては、その敷地は一棟の区分所有建物が物理的に存立するために不可欠なものであるという判断のもと、結論として共有物分割請求を否定しています。いわば、その共有物の性質上分割をすることができないケースといえるでしょう。
【※2】東京地裁平成20年2月27日判決(出典:ウエストロー・ジャパン)
まず、共有物の分割請求を認める民法256条の趣旨は、物の所有については、単独所有が近代的市民社会における原則的所有形態であるところ、共有はそのような所有の例外的形態であるから、共有関係を解消して所有の原則的形態へ復帰することを認めたものであると解される。そうすると、本件土地は、区分所有法2条5項前段の「建物が所在する土地」、いわゆる法定敷地に当たるところ、このような区分所有建物の法定敷地は、一棟の区分所有建物がその上に物理的に所在する土地であり、それが区分所有者によって共有されている場合において、その分割を認めるとすれば、その法定敷地上に存在する区分所有建物の存立に多大な支障が生じることは明らかであるし、法定敷地は、通常の共有物と異なり、共有関係が維持され続けることを前提としているものであるから、共有関係の解消を図って単独所有の原則に戻すことを目的とする共有物分割請求になじまない性質を有しているというべきである。したがって、このような法定敷地の性質に照らして、それを共有物分割請求によって分割することは許されないと解するべきである。
なお、原告は、区分所有法21条は、建物の共用部分に関する定めを区分所有建物の敷地に準用しているが、建物の共用部分に関する定めのうち同法17条ないし19条のみを準用するにとどまり、建物の共用部分に関して、民法の共有に関する規定の適用を排除する12条を準用していないから、民法の規定に従って、共有物分割請求することは許される旨主張する。
しかしながら、そもそも区分所有法12条は、民法の共有に関する規定の適用を直接に排除する規定ぶりとなっているものではなく、同条の解釈により、民法の共有に関する規定が排除されると解されているのにすぎないのであるから、区分所有法21条が、同法12条を準用していないからといって、当然に区分所有建物の敷地を分割することが許されるということではなく、共有物分割請求の可否は、その事柄の性格に応じ、実質的に判断されるべきものというべきである。そうすると、建物の共用部分について、区分所有法上、共有物分割請求が許されない実質的理由は、共用部分が区分所有建物の存立にとって不可欠の部分を構成し、通常の共有物と異なり、もともと分割されることが予定されておらず、性質上、一方的な意思表示により分割の効果が生じる共有物分割請求の対象にはなじまないためであると解されるところ、本件土地のような法定敷地は、一棟の区分所有建物が物理的に存立するために不可欠なものであることは明らかであって、もともと分割されることは予定されていないものであるから、建物の共用部分について共有物分割請求が許されないその理由は、法定敷地にも同様に当てはまるものである。したがって、区分所有法は、法定敷地の分割についても、これを許容しないことを前提にしているものと解するのが相当である。
2 東京地裁平成23年3月22日判決の事案(分割請求肯定例)
区分所有建物(ただしタウンハウス形式)の法定敷地の一部についての共有物分割請求の可否が問題となった事案として東京地裁平成23年3月22日判決【※3】があります。
同事案においては、その敷地を分割し分有の状態にしたとしても、各敷地上の建物(タウンハウス)の存立に支障が生じることはないという判断のもと、結論として共有物分割請求を肯定しています。
【※3】東京地裁平成23年3月22日判決(出典:ウエストロー・ジャパン)(筆者による加筆修正あり)
(1)区分所有者が共有する敷地の共有物分割請求の可否
本件土地は、区分所有建物であるaマンションが所在する土地(法定敷地)の一部であり、同建物を構成する区分建物であるaマンション101ないし105が所在し、aマンション101及び102の区分所有者である被告及びaマンション103ないし105の区分所有者である原告の共有に属する土地であるところ、原告と被告は、かかる区分所有建物の敷地を共有する区分所有者の一部の者が当該敷地の共有物分割を請求することができるか否かについて争っていることから、この点について検討する。
区分所有法21条によれば、建物の敷地が区分所有者の共有に属する場合には、その敷地に同法17条から19条までの規定が準用されるところ、これらの規定の中に共有物の分割請求の可否に関する規定はない。共用部分の共有については、区分所有法12条により、次条から19条までに定めるところによるとされ、共有物の分割請求に関する規定を欠くことから、共用部分の分割請求をすることはできないものであるが、同法21条は、上記のとおり単に同法17条から19条までの規定を準用するというだけであり、他の事項については民法の共有に関する規定が適用されることを排除していない。また、区分所有法22条1項本文によれば、敷地利用権が数人で有する権利である場合には、区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができないとされるところ、これにより禁止される分離処分とは、専有部分と敷地利用権とについて一体的にすることができる法律行為としての処分を一方についてのみ行うこと又はそれぞれについて異なる内容で行うことを指し、敷地利用権の(準)共有物分割請求は、専有部分と一体的にすることができるものではないから、分離処分に当たらない。さらに、区分所有法3条は、区分所有者が全員で建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成することを規定するが、いわゆるタウンハウス形式の区分所有建物においては敷地を各区分所有者の単独所有(分有)とした上でその管理又は使用に関する事項を規約で定める例もあるから、上記規定から直ちに区分所有者が共有する敷地の分割請求をすることはできないとの結論を導くことはできない。他に、区分所有法上、区分所有者による敷地の共有物分割請求を否定すべき直接の根拠を見出すことはできない。
とはいえ、高層マンションの場合等を想定すれば明らかなように、区分所有者による敷地の分割請求を肯定すると、他の区分所有者にとって、その意思に反して自己の専有部分に係る敷地利用権が所有権ではなくなり、敷地利用権を安定的に保有し続けられなくなるなど、重大な損害を被る危険が生じ、建物の存立にも多大な支障が生じる場合があるから、常に分割請求を肯定するのは妥当でない。共用部分の分割請求が否定される趣旨は、共用部分が区分所有建物の存立にとって不可欠の部分であることに求められるところ、上記のような場合においても、かかる趣旨が妥当するから、民法256条以下に規定された共有物分割請求権に内在する制約として、共有物の性質上分割をすることができない場合に当たるものとし、又は共有物分割請求が権利の濫用に当たることを根拠として、分割請求を否定するのが相当である。
他方、区分所有建物の形態は、様々であり、その敷地の共有物分割請求を肯定することにより上記のような他の区分所有者の不利益や建物の存立への支障が生じない場合もあり得る。共有物分割請求権は、各共有者に近代市民社会における原則的所有形態である単独所有への移行を可能ならしめ、公益的目的をも果たすものとして発展した権利であり、共有の本質的属性として、持分権の処分の自由とともに、民法において認められるに至った重要な権利であるから、区分所有者が共有する敷地というだけで一律に共有物分割請求を否定するのは妥当でない。共有物分割請求の否定は、共有者間に存在する紛争の抜本的解決を、請求者の利益の犠牲の下に、いたずらに先送りすることにもなり兼ねない。区分所有者が敷地の共有物分割請求を許容し得ないと考える場合には、あらかじめ規約又は集会の決議により分割請求の禁止を定めておくことも可能であり、実際に規約においてそのような定めをしている例も多い。したがって、区分所有建物の敷地が区分所有者の共有に属し、その分割請求を禁止する旨の規約又は集会の決議がない場合において、一部の共有者は、他の共有者に対し、当該敷地が共有物の性質上分割をすることができないか、又は共有物分割請求が権利の濫用に当たるのでない限り、敷地の分割請求をすることができると解するのが相当であり、当該請求が上記の分割請求が許されない場合に当たるか否かの判断に当たっては、区分所有建物の形態や敷地の状況、分割の内容等の事情を考慮し、前記のような他の区分所有者の不利益や建物の存立への支障が生じるか否かを慎重に見極めるべきである。
(中略)
(2)本件土地の共有物分割請求の可否
以上を前提に、本件土地についてみると、本件土地は、区分所有建物であるaマンションの敷地の一部であり、同土地上に所在するaマンション101及び102の区分所有者である被告並びに同土地上に所在するaマンション103ないし105の区分所有者である原告の共有に属しており(被告持分5分の2、原告持分5分の3)、弁論の全趣旨によれば、aマンション又はaマンション101ないし105の区分所有者が規約又は集会の決議により敷地の共有物分割請求を禁止するとの定めをした事実はないことが認められる。
aマンションは、aマンション101ないし107の7戸の区分建物が南北に連なるタウンハウス(棟割り長屋)形式の区分所有建物であり、証拠(省略)及び弁論の全趣旨によれば、そのうちaマンション106及び107は、それぞれ同一の第三者が各区分建物とその敷地とを所有(共有)していること、aマンション101ないし105は、それぞれ第三者に賃貸されており、各賃借人は、隣接する各戸の壁心を基準に本件土地を五つの土地部分に区分したうちの各戸が所在する土地部分を専ら使用していること、本件土地の北端付近(aマンション101が所在する土地部分に属する。)には、コンクリートブロックで囲われた集塵場が設置されており、従前は、aマンションの全戸の居住者に利用されていたが、現在は、aマンション101及び102の居住者のみに利用されていることが認められる。
これらの事実に照らせば、本件土地の現実的な分割方法としては、aマンション102と103の壁心を基準に南北に分割し、南側の別紙添付図面(1)のイ、ロ、ハ、ニ、ホ、イの各点を順次直線で結んだ範囲の土地(甲地)を原告に、北側の同図面のイ、ホ、ヘ、ト、チ、リ、ヌ、イの各点を順次直線で結んだ範囲の土地(乙地)を被告に取得させた上、それぞれが取得する土地の価格と持分に応じて取得すべき価格との過不足を代償金の支払により調整する方法以外には考えられず、かつ、この分割方法は、以下に述べるとおり、敷地の分割請求として許容されるものであるといえる。
すなわち、上記分割方法は、タウンハウス形式の区分所有建物であるaマンションの敷地のうちaマンション101ないし105が所在する本件土地を、被告が区分所有するaマンション101及び102が所在し、その居住者が専ら使用する土地部分である乙地と、原告が区分所有するaマンション103ないし105が所在し、その居住者が専ら使用する土地部分である甲地とに分割し、乙地を被告に、甲地を原告に取得させて分有の状態を生じさせるというものであり、既に分有の状態にあるaマンション106及び107の各敷地と軌を一にするものである。この分割方法によれば、原告及び被告は、いずれも自己の専有部分に係る敷地利用権が所有権であり続けることとなり、自ら分離処分を行うなどしない限り、敷地利用権を保有し続けることができ、建物の存立に支障が生じることもない。上記認定のaマンション101ないし105の各賃借人の土地使用状況に照らせば、上記のとおり分割することにより従前の使用方法が妨げられることもない。本件土地の北端付近に設置されている集塵場は、建物の附属物ではなく土地の工作物であり、共用部分以外の共有附属施設に当たるから、これについても共用部分とは異なり共有物分割請求が可能であり、上記認定の同施設の所在地と現在の利用状況に照らせば、本件土地の分割に伴い乙地を取得する被告に帰属させるのが相当であり、これにより被告に敷地利用権を安定的に保有し続けられなくなるほどの重大な損害を被る危険が生じ、建物の存立に多大な支障が生じるとは到底認められない。
(中略)
これに対し、被告は、乙地について、上記集塵場があることのほか、不整形地であること、崖地を含み、多額の修復工事費用を要する古石垣があること、西側隣地の水道管が境界に沿って埋設されていること、北側隣地に古石垣が越境し、是正を要求されていること、北側及び東側区道より土地が下がっているため土砂流入の被害があることを主張するが、これらは、単に乙地の減価要因となり得る事情であり、これにより被告に前記のような重大な損害を被る危険が生じ、建物の存立に多大な支障が生じるとは到底認められない。また、被告は、ガス及び上下水道の引込管が全戸共通となっていること、電気、電話、テレビ等の配線が全戸共通となっていることを主張するが、これらの引込管や配線は、分割後の単独所有者が所有権に基づいて撤去等を請求し得るものではなく、その存在を甘受すべきものであるから、上記のとおり分割することの妨げとなるものではない。被告は、管理規約の作成及び承認が未了であることをも主張するが、分割請求の許否とは無関係であり、失当である。さらに、被告は、原告が本件土地を自己に都合よく分割した上で一方的に代償金の支払を求めるのは、権利の濫用であると主張するが、上記のとおり分割すること自体が不当とはいえないことは、これまで述べてきたとおりであり、前記のとおり原告及び被告が取得する各土地の価格と各持分に応じて取得すべき価格とを比較した結果、被告に超過部分が生じる場合にこれを代償金として原告へ支払わせることは、適正かつ公平な分割方法というべきであるから、被告の上記主張を採用することはできない。他に原告による本件土地の共有物分割請求が権利の濫用に当たることを認めるに足りる証拠はない。
以上によれば、本件土地は、前記のとおり分割することを前提とすれば、共有物の性質上分割をすることができないものではなく、分割請求が権利の濫用に当たるものでもないから、これを許容することができる。
■ 発展問題(土地賃借権の準共有の場合)
区分所有法65条は、「一団地内に数棟の建物があって、その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合には、・・・」と規定していますので、団地内の土地が借地であり、その借地権が戸建て(建物)所有者の準共有に属する場合にも区分所有法65条の適用があります。
ところで借地についても共有物分割請求は可能であるのかという疑問が生じますが、一応、借地についても共有物分割請求は可能であるといえます。
例えば、借地上に二棟の建物があり、その借地の共有物分割請求が問題となった事案として東京高裁平成6年2月22日判決【※4】があります。
同事案においては、分割の裁判を受けた借地人と地主との関係は別途処理されることとなるという判断のもと、結論として、建物の敷地ごとの分割を肯定しています。
そうすると、ご質問のX団地の土地について、仮に借地権の準共有となっている場合であっても、一応、共有物分割請求は可能であるといえます。
【※4】東京高裁平成6年2月22日判決(出典:ウエストロー・ジャパン)(筆者による加筆修正あり)
共有不動産の分割において競売が許されるのは、現物をもって分割することができない場合であるか、現物分割をすると著しくその価格が減少するおそれがある場合でなければならない(民法258条2項)。現物分割を原則とするこの民法の規定は、できる限り目的物を現実に利用している者の生活に配慮して分割するべきであるとの趣旨を含むものである。
本件の場合、借地の形状及び面積は、別紙図面のとおりであって、借地上には公道に面して別紙物件目録4及び5の二棟の建物が建てられていて、右5の建物は空き家であるが、4の建物は控訴人A一家の住宅として使用されている(当事者間に争いがない。)。そして、それぞれの建物の敷地は、独立した利用が可能であり、それぞれの面積は、ほぼ借地を二分する面積で、少ない方の面積でも約280平方メートルある。このような建物と借地の状況からみるならば、借地を二分してそれぞれ独立した借地関係としても、土地の利用上特段の不利益を関係者に与えることはなく、また、一個の借地である場合に比し、その価格が著しく減少すると認めるべき事情も発見できない(〈書証番号略〉(不動産鑑定評価書)によれば、地上建物は老朽化しているがなお借地権の割合は65パーセント程度あるものとして評価されている。)。そうであれば、本件共有不動産は、建物とその敷地を基準として現物分割をすることが可能であるといわねばならない。
被控訴人らは、道路境界などが未査定のため借地の範囲が明確でないというが、借地の範囲について地主との間に争いがあるわけではなく、所有権の境界に若干明確でないところがあるとしても、本件の場合、そのために現物分割が困難となるというほどの事情は認められないから、この主張は採用できない。
なお、共有物分割の裁判は、共有者間の法律関係を確定するにとどまり、借地権の(準)共有者と地主との関係を定めるものではない。したがって、右のように借地を現物分割するべき場合に、分割の裁判を受けた借地人と地主との関係は別途に処理されることとなるのであり、本件の事実関係のもとでは、被控訴人らのいうように地主の同意がない限り借地を分割することができないというものではない。
そして、本件各共有者の共有持分の割合が前記のとおりであって、全体の10分の6を控訴人Aが所有し、そのほかの共有者は残り10分の4を所有している関係にあること及び控訴人Aの利用状況が前記のとおりであることを考慮すると、控訴人Aには別紙物件目録4記載の建物とその敷地である同目録2記載の土地の借地権を、そのほかの共有者には別紙物件目録5記載の建物及びその敷地である同目録3記載の土地の借地権を取得させ(このような分割をすると控訴人Aの取得する借地の面積は全体の60パーセントに達しないこととなるが、同人の控訴審における主張のとおり同人はこのことを承諾しているものである。)、後者の共有不動産については、現物分割は不可能であるから、法律の規定に従い、競売を命じ、共有者の持分割合である控訴人B、被控訴人C及び同Dはそれぞれ4分の1、被控訴人E及び同Fはそれぞれ8分の1の割合で、競売の売得金を分配することを命じるのが相当である。地上の二棟の建物が控訴人Aの所有名義であることは、本件借地権を右のように分割することを妨げるものではない。
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